ソウル市が新たに導入する漢江(ハンガン)バスは、漢江を移動する水上公共交通機関として注目を集めており、地下鉄やバスを補う新しい移動手段として、2025年上半期に正式運航を予定しています。
では、漢江バスとはどんな特徴があり、どのように利用できるのか、この記事で詳しくご紹介します。
運行時間は平日と週末・祝日で異なり、一般便と急行便があります。料金は片道3,000ウォンで、T-moneyや気候同行カードが利用可能。現金やクレジットカード支払いの詳細は今後発表予定です。
ここでは、漢江バスの乗り方や料金、運行情報、韓国旅行時の活用方法や注意点を詳しく解説しますので、ソウルを訪れる際の移動手段として、ぜひ参考にしてくださいね。
- 漢江バスとは何か基本情報
- 運行時間や料金、支払い方法
- 路線図や運行ルートについて
- 乗船時の注意点など
漢江バスの乗り方や料金|運行・基本情報

- 漢江バスとは?
- 運行時間は何時から何時まで?
- T-moneyや気候同行カードが使える?
- 現金やクレジットカード支払いは可能?
- 路線図や運行ルートの確認方法
漢江バスとは?

漢江バスとは、漢江沿いを移動する新たな移動手段として注目されている、ソウル市が新たに導入する水上公共交通機関です。
- 乗客数:199人
- 長さ:35m
- 幅:9.5m
- 重さ:150トン
- 速度:約37km/h
漢江バスは、既存の地下鉄やバスによる交通網を補完し、市民に新たな通勤・移動手段を提供する目的で計画され、単に公共交通手段としてだけでなく、都市の新たなランドマークとしての役割も担っています。
デザイン面でも、市民に親しみやすい要素が取り入れられており、ロゴやカラーリングは、「漢江+船+川+コミュニティ」というコンセプトを反映し、遠くからでも視認しやすいデザインとなっています。

今後、交通手段として定着するためには、乗り換えの利便性や運行スケジュールの調整が必要となるでしょう。特に、船着場へのアクセスや、他の公共交通機関との連携がスムーズに行えるようなインフラ整備が進めば、より多くの市民にとって利便性の高い移動手段となると見られます。
運行時間は何時から何時まで?

漢江水上バスの運行時間は、平日と週末・祝日で異なります。平日は早朝6時30分から夜10時30分まで運行され、出勤や帰宅の時間帯には15分間隔で運航されるため、通勤手段としても利用しやすいでしょう。
週末や祝日は、朝9時30分から夜10時30分まで運行されます。運行間隔は30分ごとで、1日の運航回数は48回に設定されています。
運行日 | 運行時間 | 配車間隔 |
---|---|---|
平日 | 06:30~22:30 (1日68回運航) | ・出勤時間:6時30分~9時 ・退勤時間:18時~20時30分 → 15分間隔 ・その他の時間帯 → 30分間隔 |
週末・祝日 | 09:30~22:30 (1日48回運航) | 30分間隔 |
また、各駅停車の一般便と急行便があり、一般便は約75分、急行便は約54分で移動できますので、目的に応じた便を選ぶと良いでしょう。
なお、漢江水上バスは天候や季節によって運行スケジュールが変更されることがあります。特に悪天候時には運休となる可能性もありますのでご注意ください。
水上バスの料金はいくら?
漢江水上バスの料金は片道3,000ウォン(約330円)です。これはソウル市内のバスの基本料金と同じで、利用しやすい価格設定となっています。
一般的な公共交通機関との統合乗り換え割引が適用されるため、地下鉄やバスと組み合わせて利用することで、交通費を抑えることも可能です。
T-moneyや気候同行カードが使える?

漢江水上バスは、T-moneyや気候同行カードを利用した支払いが可能です。T-moneyは、韓国国内で広く使われている交通系ICカードで、地下鉄やバスだけでなく、コンビニや飲食店などでも利用できます。漢江バスでもスムーズに支払いができるため、事前にチャージしておくと便利です。
一方、気候同行カードは、環境に配慮した公共交通機関の利用を促進するために導入された特別なカードです。このカードを使用すると、一定額を支払うことで、ソウル市内の公共交通機関を無制限に利用できるので、通勤や観光で頻繁に移動する人にとっては非常にお得になります。
T-moneyや気候同行カードを利用する際には、残高の確認を忘れないようにしましょう。船着場にチャージ機が設置されてはいますが、混雑時にはスムーズにチャージできないこともあります。特に気候同行カードは、一定料金での利用となるので、有効期限を事前にチェックしておくことをお勧めします。
現金やクレジットカード支払いは可能?

漢江バスの支払いについて、VISIT KOREAの観光通訳案内に問い合わせてみたところ、「基本的な決済手段は交通カードであり、現金やクレジットカードでの決済が可能かどうか、また予約方法や当日現場での発券に関する詳細な規定については、本年上半期に公開される予定」とのことです。
正式な発表がありましたら、随時情報を追記いたします。
路線図や運行ルートの確認方法
乗船場 | レンタサイクル 台数 | 近隣地下鉄 | 急行停車の可否 | 次の停留所までの 所要時間 |
---|---|---|---|---|
① 麻谷(マゴク) | 15台 | ― | 〇 急行停車 | 約14分 (5.5km) |
② 望遠(マンウォン) | 30台 | ― | × | 約14分 (5.5km) |
③ 汝矣島(ヨイド) | 30台 | 5号線 ヨイナル駅 | 〇 急行停車 | 約21分 (9km) |
④蚕院(チャムウォン) | 20台 | ― | × | 約7分 (1.5km) |
⑤玉水(オクス) | 30台 | 3号線 オクス駅 | × | 約13分 (4.6km) |
⑥トゥクソム | 30台 | 7号線 チャヤン駅 | × | 約6分 (2.8km) |
⑦蚕室(チャムシル) | 30台 | ― | 〇 急行停車 | ― |
漢江バスの運行ルートは、漢江沿いに設けられた7つの船着き場を結び、ソウル市内の主要エリアを効率的に移動できるように設計されています。
停留所は 麻谷(マゴク)、望遠(マンウォン)、汝矣島(ヨイド)、蚕院(チャムウォン)、玉水(オクス)、トゥクソム、蚕室(チャムシル) の7カ所です。7カ所全てに停まる一般便は、途中のエリアで下船する必要がある場合や、ゆったりと漢江の景色を楽しみたい人に向いているでしょう。
急行便は、主要エリアを短時間で移動したい人向けに設定されており、 麻谷、汝矣島、蚕室の3カ所のみ停車となります。
このルートにより、ソウルの東西を結ぶ新たな交通手段として機能し、都市部の移動をより快適なものにすることが期待されています。
漢江水上バスの乗り方や料金|便利な活用方法

- 旅行者向けの便利な活用方法
- 船内の設備と快適な乗船ポイント
- エコ交通手段としての実用性
- 船着き場へのアクセス
- 安全問題は大丈夫なのか?
旅行者向けの便利な活用方法

漢江バスは、ソウル市民だけでなく旅行者にとっても魅力的な移動手段の一つとなり、特に、漢江沿いの観光スポットを効率よく巡りたい人におすすめです。
例えば、汝矣島(ヨイド)では63ビルや漢江公園、蚕室(チャムシル)ではロッテワールドやロッテワールドタワーといった人気スポットがあります。
漢江バスを利用すれば、これらのエリアを移動しながら漢江の景色を楽しむことができるのが大きな魅力です。特に、夕方の便では漢江に沈む夕日を眺めながら移動できるため、ロマンチックな雰囲気を味わうこともできます。
また、気候同行カードを利用すれば、乗り放題で漢江バスを活用できるため、短期間でいくつかの観光地を巡りたい人には最適です。
船内の設備と快適な乗船ポイント

漢江バスの船内は、快適に過ごせるように設計されています。最大199人が乗船可能で、座席は比較的広めに設計されているので、長時間の移動でも快適に過ごせます。
船着き場にはコンビニやカフェが設置され、飲み物や軽食を楽しむことができます。バスの利用者だけでなく、観光目的で利用する場合は、カフェを活用しながら、漢江の景色を眺めるのも良いでしょう。
船内の揺れは比較的少なく、安定した設計になっていますが、天候によっては多少の波を感じることもあるため、船酔いしやすい人は事前に酔い止めを準備しておくと尚良いでしょう。
エコ交通手段としての実用性

漢江バスは、環境に優しい公共交通手段として期待されています。従来のバスや車に比べ、二酸化炭素(CO₂)の排出量を大幅に削減できることが最大のメリットです。
このような環境負荷の低減により、持続可能な都市環境づくりに貢献するだけでなく、環境意識の高い市民や観光客にも支持される可能性が高いでしょう。また、水上交通の活用により、陸上の交通渋滞を緩和できる点も評価できます。
しかし、実際の移動時間を見ると、エコな交通手段であっても利便性の面で課題があります。例えば、麻谷(マゴク)~蚕室(チャムシル)間の急行便は約54分かかる一方、地下鉄9号線の急行列車を利用すれば同じ区間を42分で移動できます。
移動時間の短縮という観点では、漢江バスは必ずしも効率的とは言えませんが、環境負荷を減らすという目的と、より効率的な運航ルートの開発などにより、エコ交通手段としての価値をさらに高めていく可能性が考えられます。
船着き場へのアクセス

漢江バスの導入において、最大の課題の一つが「船着き場へのアクセスの不便さ」です。ロンドンの「テムズ川のリバーバス」のような成功例もありますが、ソウルの地理的条件はそれとは異なります。
漢江は川幅が広く、周辺に主要な交通施設が少ないため、船着き場までの移動に時間がかかる可能性があります。
特に、麻谷(マゴク)、望遠(マンウォン)、蚕院(チャムウォン)、蚕室(チャムシル)といった船着き場は、最寄りの地下鉄駅から離れた場所に位置しているので、利用者はバスやタクシー、自転車を利用しなければならず、利便性が損なわれる恐れがあります。
これに対し、ソウル市はアクセス性向上のために、船着き場周辺に公共バス路線を新設する計画を進めています。また、レンタサイクル「タルンイ」を船着き場の近くに配置することで、利用者の負担を軽減する試みも行われています。
今後、利用者の増加を目指すためには、船着き場周辺のインフラ整備を進める必要があると見られています。
安全問題は大丈夫なのか?

基本的に漢江は穏やかな流れの川であり、通常時の波の高さも低いため、比較的安全に運航できる環境が整っています。しかし、季節や天候によっては水位や流れの速さが変動し、それに伴うリスクも存在します。
特に、台風や集中豪雨の影響を受ける夏場や、川の一部が凍結する冬季には、安全対策がより重要となります。
さらに、乗客の安全を確保するため、漢江バスには十分な救命設備が備えられており、各座席には救命胴衣が用意され、非常時にはすぐに着用できるようになっています。船内では安全アナウンスが定期的に流れる予定で、乗客に対して避難経路や非常時の対応について説明が行われます。
総合的に見て、漢江バスは安全性に十分配慮された設計となっていますが、季節や天候の影響を受けやすい面もあります。利用者としては、天候による運行状況の変化を事前に確認し、安全を最優先にした移動計画を立てることが大切です。
総括:漢江バスの乗り方や料金について
この記事のポイントをまとめます。
- 漢江バスはソウル市が導入する新しい水上公共交通機関
- 地下鉄やバスを補完する移動手段として運行開始予定
- 2025年3月に試験運行、5月から正式運航開始予定
- 運行時間は平日6:30~22:30、週末・祝日は9:30~22:30
- 片道料金は3,000ウォンで、市内バスと同額
- T-moneyや気候同行カードでの支払いが可能
- クレジットカードや現金支払いの詳細は正式発表待ち
- 停留所は麻谷、望遠、汝矣島、蚕院、玉水、トゥクソム、蚕室の7カ所
- 急行便は麻谷、汝矣島、蚕室のみ停車し約54分で運行
- 一般便はすべての停留所に停まり約75分で運行
- 船内にはカフェや自転車置き場があり快適な設備を提供
- 環境負荷を抑えたハイブリッド船および電気船を採用
- 船着き場は地下鉄駅から遠い場所もありアクセス課題がある
- ソウル市は船着き場周辺のバス路線整備やレンタサイクル設置を計画
- 天候や季節により運行スケジュールが変更される可能性がある

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