世界中を熱狂させたNetflixの大人気シリーズ「イカゲーム」。
そのプロモーションイベントが、日本の渋谷で開催されたという噂は耳にしましたか?
その名も、作品の世界観を踏まえた「暗闇バイト」。このミステリアスな響きに、「一体どんな内容なの?」「危険はないの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
今回は、幸運にも筆者が抽選に当選し、実際に参加してきたそのイベントの全てを、余すところなくお伝えしますね。
謎に包まれたイベントの裏側から、現地の熱気、そして韓国文化に精通する筆者ならではの視点まで、心を込めて詳しくレポートします。
- イベントの目的とその巧みな仕掛け
- 謎に包まれたイベントの詳しい活動内容
- イベント当日の渋谷の街のリアルな反応と評価
- ドラマの魅力と、知っているとより楽しめる豆知識
イカゲームのイベントが日本の東京・渋谷で開催
・渋谷に現れたピンクガードの正体
・バイトのキャンペーン概要
・バイト当日の内容と記念品の報酬
・渋谷の街中の様子と評価
・Netflixスタッフの様子
渋谷に現れたピンクガードの正体

2025年7月5日の夕暮れ時、週末の賑わいを見せる東京・渋谷。
スクランブル交差点を行き交う人々や、ネオンが灯り始めたセンター街に、突如として異様な集団が現れました。
顔を仮面で隠し、全身を鮮やかなピンクのつなぎで覆ったその姿は、まさにドラマ「イカゲーム」から飛び出してきた「ピンクガード」。彼らは言葉を発さず、ただ静かに街に佇み、渋谷の風景に非日常的な緊張感をもたらしました。
この集団の正体こそ、Netflixが企画した「イカゲーム」シーズン3のプロモーションイベントの参加者たちだったのです。
イベントのネーミングは「暗闇バイト」その理由…
ネーミングが非常に巧みなこのイベント。
「高額報酬」を謳い文句に若者を危険な犯罪に誘う「闇バイト」が深刻な社会問題となる現代。
そこであえて「暗闇バイト」という、一瞬ドキリとするような名前を使用。しかし、そのキャッチコピーは「高額じゃない。即日どころか入金もありません。でも、安全です」というもの。
危険な「闇バイト」への注意を喚起しつつ、安全な「暗闇(作品の世界観になぞらえた)」バイトへ参加を促すという、社会性のあるパロディになっていたのです。
このメッセージ性が、多くの人々の関心を引きつけ、イベントへの期待感を高めました。
バイトのキャンペーン概要
怪しいものでは、ありません。 pic.twitter.com/wl0lLRd9J6
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) May 29, 2025
このバイトは、Netflixが「イカゲーム」シーズン3の配信開始を記念して実施した、他に類を見ない体験型のプロモーションキャンペーンです。
参加者は劇中のピンクガードの衣装を実際に着用し、トレンド発信地である渋谷の街で、ゲリラ的に作品の告知活動を行うというもの。
ただPRするのではなく、街の風景の一部となり、人々に強烈なインパクトを与えることを目的としていました。

渋谷は若者文化の中心地であり、SNSでの情報拡散力が非常に高い場所として知られています。
だからこそ、この場所で強烈なインパクトを残すことが、最も効率的に話題を広げる方法だったのだろうな、と思いました!
バイトの応募方法と参加条件
どうやって参加できたの…?
バイトへの参加権は、X(旧Twitter)を活用。以下のようなルールが設けられていました。
- 公式アカウントをフォロー: まず、Netflix Japanの公式Xアカウント「@NetflixJP」をフォロー。
- 対象投稿をリポスト: 次に、公式アカウントがポストしたバイト募集の投稿をリポスト。(引用リポストは対象外)
- 応募者は、日本国内に在住する満20歳以上の方に限定。
たったこれだけのステップで応募は完了です。

これだけだったので、きっと応募者も多数だったはず。(あるスタッフさん曰く3000人くらいの応募だったとか。)
その中で、どうして私が当選したのでしょうか… 正直なところ、今でも理由は全く分からず、本当のところは謎のままです。
当日、運営スタッフの方に人選のポイントをこっそり聞いておくべきだったなと、ちょっぴり後悔しています…
当選するとフロントマンから任命のメールが
後日、私の元に届いたのは、フロントマンからのこのようなメールでした。

メールを受け取った瞬間から「イカゲーム」のディープな世界に引き込まれる、そんな見事な演出です。
フロントマンになりきった冷徹な文面や高圧的な言葉選びは、まるで自分がドラマの登場人物になったかのような錯覚を覚えさせ、強烈なインパクトがありつつ、ワクワク感もありました。
バイト当日の内容と記念品の報酬




前述の通り、バイト当日の主な活動は、ピンクガードの衣装と仮面を身に付け、渋谷の指定されたエリアで「イカゲーム シーズン3」のプロモーションを行うというもの。
参加者は集合場所に集まり、スタッフから説明を受けた後、数人のグループに分かれて街へと繰り出します。
スタッフさんからは…
ピンクガードはドラマの中でも不愛想で事務的な存在なので、街の人から写真撮影を求められてもクールに対応してください!
との指示。
言葉を発さず、冷酷な振る舞いをすることは、一種の演技力が求められ、自分が作品の世界の一部になったかのような、他では決して味わえない気持ちがあったことも事実です。
そして、任務が終わり、参加者たちから発せられた言葉は…
思っていたよりもハード!!
イベント時間が夕方といえど、季節は真夏の7月。長袖長ズボンの衣装と、仮面に幾つもの穴が開いているものの、通気性があまり良くない仮面をかぶっての活動は、まさに「全身サウナ状態」でした。

実は、おでこに冷えピタを貼り、衣装には冷感スプレーを吹きかけて万全の対策で臨んだのですが…。
活動を終えて仮面を取った瞬間、文字通り滝のような汗が顔から流れ落ちてきました。
そして、この特別な体験への報酬として、参加者には非売品の「イカゲーム」公式グッズが記念品として贈呈されました。

このような限定アイテムは、ファンにとって金銭以上の価値を持つ宝物。
イベントへの参加満足度を大きく高める、心のこもった報酬だったと言えますね。
渋谷の街中の様子と評価

イベント当日の渋谷は、まさに「イカゲーム」一色に染まったかのような様子でした。
ピンクガードの集団が街に姿を現すと、道行く人々は一様に足を止め、スマートフォンを向け始めます。
最初は「何かの撮影?」「コスプレ?」と囁いていた人々も、その特徴的な姿からすぐに「あ、イカゲームだ!」と気づき、「シーズン3配信されたよね!」「見た?」と、友人同士で興奮気味に話し始めます。
この光景は、従来の広告とは一線を画すものでした。
テレビCMや看板広告が一方的に情報を発信するのとは異なり、このイベントは人々の間に「会話」と「共有」を生み出すことに成功。
街の人たちからの反応は、国籍を問わず、非常に熱狂的で、国際色豊かな渋谷ならではの光景です。
海外からの観光客の方は、「Squid game!!」と嬉しそうに声をあげ、劇中の不気味なメロディーを口ずさんで一緒に写真を撮ったり。
本場である韓国からいらしたカップルは、「어!오징어게임이다.일본에서도 인기 많네(わぁ、イカゲームだ。日本でも人気だね)」と顔を見合わせて会話をしている姿に、私も嬉しくなってしまいました。

この手法は、「何だ?この集団は?」という強い違和感で人々を惹きつけて巻き込む「体験型の広告」として、効果的に機能していたと言えます。
Netflixスタッフの様子

今回のイベントで、参加者として特に心を打たれたのは、華やかなプロモーションの裏側で、それを完璧に支える運営スタッフの方々のプロフェッショナルな仕事ぶりでした。
普段は見ることのできないイベントの舞台裏を体感できたことは、とても貴重な経験です。
過去に、イベント運営に携わった経験がある者として見ても、その準備の緻密さと参加者への配慮は、まさに「神対応」と呼ぶにふさわしいものでした。
例えば、参加者に説明する際のオリエンテーションシートは見せ方と構成が分かりやすく、誰が聞いても明確で迷うことがありません。
また、夏の暑さ対策として飲料の準備があったり、実際に歩くルートの安全性を何度も確認したりと、参加者の安全を第一に考える姿勢が随所に見て取れました。

私が特に感動したのは、スタッフの方々がインカムで連携を取りながら、常に状況を把握し、冷静かつ迅速に指示を出していた姿です。
トラブルを未然に防ぎ、イベントをスムーズに進行させるための徹底した準備とチームワーク。
一つの素晴らしいエンターテインメントが、これほど多くの人々の丁寧な仕事によって作り上げられているのだと肌で感じ、スタッフの皆さんへの尊敬の念がより一層深まりました。
イベント終了後には、当日の集合写真を共有してくださるなど、最後の最後まで心のこもったアフターフォローがあり、参加者として最高の思い出を作ることができました。
日本・東京渋谷のイカゲームイベント|ドラマの詳細
・イカゲームはどんなドラマ?
・ピンクガードの役割と階級
・イカゲームの視聴方法
イカゲームはどんなドラマ?
イカれたゲームに終わりはあるのか──
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) June 27, 2025
衝撃の結末を見届けよう。
Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン3
独占配信中⏺🔼⏹
ここで改めて、「イカゲーム」という作品がなぜこれほどまでに世界中の人々を惹きつけるのか、その魅力の核心に触れておきましょう。
「イカゲーム」とは…
多額の借金を抱えていたり、社会から見放されて人生に絶望した人々が、456億ウォン(約45億円)という莫大な賞金を懸けて、謎のサバイバルゲームに挑む物語です。
ゲームの題材となるのは、「だるまさんがころんだ」や「型抜き」といった、誰もが知る韓国の古典的な子供の遊び。
しかし、そのルールは極めて残酷で、ゲームの敗者はその場で即座に命を奪われます。
この「子供の遊び」と「死」という究極のコントラストが、強烈な視覚的インパクトと心理的なスリルを生み出しています。
しかし、このドラマの真の魅力は、単なるスリラーにとどまらない点にあります。
極限状態に追い込まれた参加者たちの間で繰り広げられる、裏切り、協力、そして人間としての葛藤。
さらには、現代社会が抱える格差問題や競争社会の歪みに対する鋭い風刺も込められており、単にエンタメとして消費されるだけでなく、深い社会的メッセージを投げかける作品として、世界的な共感と議論を呼びました。
ピンクガードの役割と階級
イカゲームに関する考察・感想を
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) June 23, 2025
投稿しているみなさまへお知らせです。#ようこそイカれた結末へ@PINKGUARD_JP pic.twitter.com/K2OjlLEach
ドラマをより一層、不気味で謎めいた世界観に象徴している存在が、ゲーム参加者を徹底的に管理する仮面のスタッフ、通称「ピンクガード」です。
彼らは感情を見せず、ただ黙々と任務を遂行。
一見すると全員同じに見えますが、実は仮面に描かれた図形によって厳格な階級社会が形成されていて、この内部構造を知ることで、ドラマをより深く楽しむことができます。
記号 | 階級 | 主な役割・特徴 |
---|---|---|
○ | 作業員 | ・階級の最下層 ・ゲームの準備、食事の配給、脱落者の処理などを担当 |
△ | 兵隊 | ・中間階級 ・常に武装し、参加者の監視やルール違反者の処刑など実力行使を担う |
□ | 管理者 | ・現場のリーダー格 ・作業員と兵隊を監督する ・ゲーム進行を仕切る ・フロントマンへの報告も行う |

渋谷のイベントで「〇」の仮面を着用した私は、最下層の階級だったことになります。
イカゲームの視聴方法
これほどまでに話題の「イカゲーム」ですが、Netflixへの加入で、衝撃的なシーズン1から、物語がさらに深まるシーズン2、そして今回のイベントで告知された待望のシーズン3まで、すべてのエピソードがいつでも好きな時に楽しめます。
一度観始めると止まらない、中毒性の高いストーリーが魅力ですので、週末などに一気見するのもおすすめです。
まだNetflixの会員でない方は、この機会にぜひ加入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:イカゲームのイベントが日本の東京渋谷を席巻
今回のプロモーションは、ミステリアスな「イカゲーム」の世界の一員になったような、不思議な高揚感に包まれた体験でした。
渋谷の街がピンクガードの登場でざわめき、人々の会話の中に「イカゲーム」という言葉が飛び交う様子を目の当たりにして、物語が現実を侵食していくような、この上ないエンターテイメントの力を感じました。
作品そのものの魅力はもちろん、それを支える方々の情熱にも触れることができ、いち韓国ドラマファンとしてこれ以上ない喜びです。
まだ作品をご覧になっていない方も、ぜひ「イカゲーム」の奥深い世界に足を踏み入れてみてください。きっと、あなたもその世界の虜になるはずですよ。